こんにちは。灯(@tumenoakari)です。
流行りのSDGsってワケじゃないのですが、最近のマイブームは「再生」です。
特に捨てられるのを待つだけになってしまった革製品を再生させるのにハマっています。
2週間くらいかけてゆっくりとメルカリで600円で買ったホワイトハウスコックスの財布(馬蹄型コインケース)を丸洗いして生き返らせたレポートです。
メルカリでホワイトハウスコックスの人気商品、馬蹄型コインケースを600円で買った
メルカリをふらふらしていたら、ボロボロの、ごみと見間違えてしまうくらいの状態の、ホワイトハウスコックスという超人気ブランドの人気アイテム、馬蹄型コインケースが出品されていました。
お値段なんと600円。しかも送料込みです。
送料込みで600円なので、おそらく出品者の利益は無いに等しいと思います。
手間を考えたら捨てたほうが良いレベルの金額ですが、出品者の人も良いアイテムだという事はわかっているでしょうから捨てるに忍びなかったのでしょう。
とはいえ、買ってそのままだと使えないレベルの状態です。まさにゴミ1歩手前。
これは再生しなくては!という事で購入してみました。
ゴミ1歩手前の状態から復活させるためのケアアイテムたち
600円のホワイトハウスコックス。状態は非常に良くないです。
革は乾燥してガサガサ。 乾燥しているので大きなしわが入り、色抜けも激しい状態です。
幸い、革が裂けたり割れたりはしていませんが、この状態だといつ裂けたり割れたりしてもおかしくありません。
そこで、今回は丸洗い&徹底保革というスペシャルケアを行い復活させてみようと思います。
革製品なので、同じ革製品である靴のケアアイテムが流用できました。使ったアイテムを紹介しながら丸洗いしていきましょう。
革を洗うせっけん「サドルソープ」は代用品でOK
この革の状態だと、水分補給と汚れ落とし、整形が必要なので丸洗いします。
水洗いだけでもかなりきれいになるのですが、せっかく濡らしますし中古品ですのでせっけんを使ってきれいにしていきます。
革製品の丸洗いと言えばサドルソープという専用品があります。
↓これがサドルソープ。作を丸洗いする用途で販売されています。
しかし、わがやにサドルソープは存在しません。だいぶ昔に使い切ってしまいました。
ですが大丈夫。サドルソープは代用品があるアイテムなのです。 ぶっちゃけ普通の石鹸で代用できます。牛乳せっけんレベルで大丈夫ですし、何ならおしゃれ着用の中性洗剤(エマールとかアクロンとか)でも代用できます。
ウチでは代用品としてオリーブせっけんを使っています。 わたしは肌が弱いのでオリーブせっけんを長年愛用しており、こういう時のためにチビたせっけんを残しているのです!
コインケースくらいのサイズならスポンジなくても大丈夫です。 手で泡立てて手洗いで十分対応できる大きさです。
ゴリゴリに色が出てきますがホワイトハウスコックスの、ブライドルレザーの丈夫さを信じて気にせずガシガシ洗いましょう。
※ちなみに、サドルソープで洗っている時のにおいとオリーブせっけんで洗っている時の匂いが同じ感じがします。偶然ですね!
乾かすときにキッチンペーパーを詰めまくって形を整える
ガッツリ洗ったら乾燥させます。
乾燥は、すべての工程の中で最も重要で最も気を遣うポイントです。
革は乾くタイミングで形が固定されます。
靴の丸洗いで靴の形がキレイに戻るのは、乾くタイミングで木型を入れて強制するからきれいになるのです。 逆に、靴が反り返っていくのは、脱いだ後あせの湿気がある状態で放置されるから。汗が抜ける時に革が反り、乾燥で固定される。この繰り返しで型崩れが起きるのです。
このコインケースはしわがひどく、そのまま乾燥させるとべっこり凹んだ状態で形がきまってしまいますので、キッチンペーパーを詰めまくって形を整えます。
うえの画像が乾かしている様子なのですが、コインを入れるところにキッチンペーパーを詰めまくっています。 この小さな空間に3~4枚詰めています。 パツパツですが、このくらいでちょうどよいです。
パツパツ状態で半乾きになるまで様子を見ます。
完全に乾ききる前に保革しないと革が割れる
コインケースが半乾きになったら保革します。
半乾きの状態でやるのがポイントです。 乾く=革の水分が抜けるという事ですが、この時一緒に油分が抜けてしまいます。 なにもケアせずに乾燥させきってしまうと革の乾燥が進行し、ひび割れの原因になってしまいます。
ひび割れしてしまうと完全に戻すことは不可能なので、ひび割れないように対処するのが大切です。
具体的な対処は乾燥しきる前、半乾きの状態でクリームを入れていきます。
ここで入れるクリームはロウ分の少ないデリケートクリームが適しています。
↓デリケートクリーム。使える革がべらぼうに多くて便利。便利すぎてすぐなくなる><
乾ききる前に2~3回クリームを入れればひび割れは起こらないでしょう。
ブラシや布を使って入れるのが一般的だと思いますが、準備するのが面倒なのと財布くらいの面積なら指で塗ってしまうのが楽だしクリームの量を節約できるしで便利です。
マメに保革してあげましょう。
仕上げにオイルを入れてワックスを塗る
革が乾いたら仕上げに入ります。
今回の個体は油分の補給が必要な状態だったのでデリケートクリームに加えて油分も補給してあげます。
油分は手持ちのタピールのレーダーオイルを使いました。
↓タピールのレーダーオイル。最近在庫があるので買えます。
水分と油分がしっかり補給されれば復活と言って良いレベルになりますが、最後にロウが主体のワックスを塗ってあげるとツヤが出ます。
ラナパーとかが有名ですが、蜜蝋クリームで代用することもできます。
↓ラナパー。グラム単価は大容量モデルが安いけど、したのリンクから飛べる5mlのお試しサイズを買うのもアリ。
↓みつろうクリーム。用途はラナパーとほぼ同じ。
ブラシがあればブラッシング。なければTシャツの切れ端とかで磨けば完成です。
【2022/08/17追記】
いまからワックス、仕上げ剤を買う人は、コロニル1909 シュプリームクリームデラックス(カラーレス、要は無色)を購入することを強くお勧めします。
かんたんに艶出しができる上に、ツヤが自然。 手帳や名刺入れ、キーホルダーなど、他のレザーアイテムにも使えて無駄がない良いクリームです。
昔は3000円もする高級クリームで買うのに勇気が要るクリームでしたが、販路が変わったからか?半額の1500円くらいで購入できるので特に今がおすすめです。
革製品をよみがえらせるSDGs
この手順でケアすると↑の写真くらいに復活します。
もとが↓の状態だったので、見違えるくらいになっていると思います。
洗いが終わり、保革まで済んだらチョンと出ている糸を切って整えてあげると完成度が高まります。
この状態まで回復させれば「捨てよう」から「使おう」になると思います。SDGs。
道具を揃えなきゃというハードルはありますが、逆に道具さえ揃えればそんなに手間はかかりません。 これも2週間くらいかけていますが、正味作業時間は1時間も無いです。(何なら、この記事を書いている時間のほうが長いくらいw)
ポイントを抑えてやれば意外と失敗しないです。 メンズはシューケアアイテムに凝る時期がある筈で、持て余しているケア用品を持っているハズです。 こういうのを活かすのもSDGs。
おっ!と思いましたら試してみるの、おすすめです。楽しいですよ。
コメント